自作の羽ばたき機で空を飛んだ琉球の鳥人
飛び安里(とぅびあさと)
 18世紀~19世紀

近世琉球 前半(第二尚氏王朝時代)
琉球のルネッサンス(17世紀中頃〜18世紀)
ライト兄弟の飛行機以前、空に憧れた人々は世界各地で鳥のように羽ばたく装置を用いて飛行に挑戦していた。
十八世紀、日本で鳥人幸吉(ちょうじんこうきち)と呼ばれる表具師が初めて滑空したのと同じ頃、琉球では飛び安里という花火師が大空を舞ったと言われている按司。家は代々王府に仕える花火職人の家系で、彼は見事な仕掛け花火で王から褒賞を受けた優秀な技術者であった。
安里の羽ばたき機は弓の弾力性を利用して足で翼を上下させる仕組みで、竹、芭蕉布、鳥の羽などで作られていたという。彼が飛んだ場所は 南風原町の津嘉山だという説と、沖縄市の泡瀬海岸に面した断崖だという二説がある。
近年伝承に基づいて復元された飛び安里の羽ばたき機は、見事飛行に成功した。

2010年9月

画 喜屋武 千恵
文章・編集 齋藤 嘉苗(JCC美術部所属)
監修 井上 秀雄(沖縄県立芸術大学名誉教授)
企画 JCC美術部

収録: 絵で解る琉球王国歴史と人物 第1巻