政治に翻弄された悲劇の王女
百度踏揚(ももとふみあがり)
 十五世紀中頃

古琉球(第一尚氏王朝時代)
琉球王国の夜明け(14世紀〜15世紀中頃)
第一尚氏王統末期に生きた百度踏揚は王統の命運とともに波瀾万丈な生涯を送った女性と伝えられている。1458年、琉球史に残る争乱「護佐丸・阿摩和利の乱]が勃発し、中城の忠臣・護佐丸と勝連の若き首領・阿摩和利が滅んだ。百度踏揚は政略結婚で阿摩和利のもとに嫁いでおり、また護佐丸は彼女の母方の祖父でもあった。争乱のなか百度踏揚は付き人の剣豪・鬼大城によって逃がされ、寡婦となったのちは鬼大城と再婚した。しかし、今度は政権が変わりかつての家臣・金丸が第一尚氏に変わって王座に就いたため、旧体制の遺臣・鬼大城もまた王府軍に滅ぼされることとなり、彼女は二度夫を失った。その後の彼女は兄たちが落ち延びていた玉城の地に身を寄せ、ひっそりと余生を送ったという。一四五八年には王国をゆるがす内乱「護佐丸・阿摩和利の乱」が勃発します。百度踏揚は本名ではなく最高神女としての神名であり「永遠に 気高い」という意味がある。王族女性には国の祭祀を司るという使命もあり、玉城の祭祀にも参加していたと伝わっている。彼女の墓からは高級神女の証である大きな金の簪が発見されている。

画 中村 万季子(JCC美術部所属)
文章・編集 齋藤 嘉苗(JCC美術部所属)
監修 井上 秀雄(沖縄県立芸術大学名誉教授)
企画 JCC美術部

収録: 絵で解る琉球王国歴史と人物 第1巻