飛ぶ鳥も聴き惚れる、伝説的な美声の持ち主
北谷真牛(ちゃたんもう)
 14世紀~15世紀

グスク時代・三山時代
群雄割拠の時代(12世紀〜15世紀中頃)
北谷真牛は恩納(おんな)ナビや吉屋(よしや)チルと並び琉球三大女流歌人と称される琉歌の名人。恩納ナビや吉屋チルが「詠む歌人」であったのに対して、真牛は「美声の歌人」であった。彼女の美声に人々は聴き惚れ、美しくさえずる鳥でさえも飛ぶのを忘れてその歌声に耳を傾けたと伝えられる。真牛の評判は琉球で広く知れ渡り、彼女の美声を讃えた歌が「百名節(ひゃくなぶし)」という琉球古典音楽の有名な曲の歌詞にもなっている。
北谷真牛の美声は、北山(ほくざん)の王をも魅了し、北山王の居城であった今帰仁(なきじん)城で仕えるようになったとされる。ところが北山は中山(ちゅうざん)の攻撃を受けて滅ぼされてしまう。真牛はこの時、王妃を連れて逃げたと伝えられており、しばらく山に身を隠した後に伊野波(いのは)村へ下りてきて晩年を過ごした。

収録: 絵で解る琉球王国歴史と人物 第2巻