琉球に帰化した朝鮮陶工・涌田窯の創始者
張献功(ちょうけんこう)
 

近世琉球 前半(第二尚氏王朝時代)
国難と対峙した人々(16世紀中頃〜17世紀中頃)
琉球に帰化した朝鮮陶工で沖縄名は仲地麗伸という。豊臣秀吉による文禄・慶長の役(十六世紀末期)の際、朝鮮半島から、島津義弘軍によって薩摩に連れて来られたが、琉球の尚寧王に招かれて琉球に渡った陶工の一人である。現在の那覇市泉崎の近辺にあった湧田村に住み湧田窯の創始者となる。その後、湧田窯は同じく那覇市に今もある壺屋に移転し、現在に続く壺屋焼の伝統を形成していく。この絵に描かれた後ろ姿の女性は張献功が偶然見染めて首里王府に願い出て強引に妻にした人妻だったが、表向き何不自由はない生活とは言え、別れた夫や子供への想いは断ち難く時折、泉崎の丘に登って垣花に住む愛しい家族の事を想ったと言い伝えられている。今に続く琉球舞踊の女踊り瓦屋節はその切ない想いを伝えている。

収録: 絵で解る琉球王国歴史と人物 第2巻