薩摩に滞在した日々を記した「思出草」の著者
識名盛命(しきなせいめい)
 1651~1715

近世琉球 前半(第二尚氏王朝時代)
琉球のルネッサンス(17世紀中頃〜18世紀)
識名盛命(しきなせいめい)は1670年に黄冠に叙され、経験を積んだ後、1688年に進貢使として清へ渡りました。翌年、北京で接貢船(せっこうせん)の税免除と進貢船の増員を康熙帝に認めてもらうことに成功しています。また、口唇裂の治療法を学ばせるため魏士哲(ぎしてつ)に修業を命じ、尚益の手術成功に繋げました。進貢使としての役割を果たした後、複数回薩摩へ渡り、1699年には年頭使として薩摩に長期滞在し、その経験を「思出草」に記しました。これは琉球の擬古文(ぎこぶん)と呼ばれる文体の最古の作品であり、後世に高く評価されています。1702年には王府高官の三司官となりました。彼が三司官を務める期間には「おもろさうし」の再編集や「混効験集(こんこうけんしゅう)」の編纂が行われました。そこには彼の助言もあったのかもしれません。

収録: 絵で解る琉球王国歴史と人物 第3巻