民話の知恵話に語られる琉球版の一休さん
モーイ親方(モーイうぇーかた)
 1648~1700

近世琉球 前半(第二尚氏王朝時代)
琉球のルネッサンス(17世紀中頃〜18世紀)
モーイ親方は、沖縄本島を代表する知恵話の主人公で、通説では伊野波盛平(いのはせいへい)がモデルとされています。盛平は王府の高官である三司官を務めた伊野波盛紀(いのはせいき)の息子で、「思出草」の著者、識名盛命(しきなせいめい)の兄です。盛平自身も三司官まで上り詰め、多くの実績を残した優秀な人物でした。 モーイ親方の物語は40以上あり、中でも有名なのが「殿様の難題」です。この話では、薩摩の殿様から無理難題を課せられたモーイ親方が巧妙な知恵でこれに答え、殿様を驚かせます。例えば、雄鶏の卵の問題に対しては、男が子を産むことを引き合いに出し、灰の縄の問題ではその場で縄を燃やして解決します。そして、山を持って来いという要求には、山を運ぶ船を用意して欲しいと逆に依頼して殿様を納得させます。 このような知恵話は、薩摩の支配下にあった琉球・沖縄の人々にとって、知恵で困難を乗り越える痛快な物語として支持され、近代の商業演劇でも取り上げられ続けています。

収録: 絵で解る琉球王国歴史と人物 第3巻