「安里屋ユンタ」に歌われる、王府役人の求婚を断った女性
安里屋クヤマ(あさとやクヤマ)
1722~1799
近世琉球 前半(第二尚氏王朝時代)
琉球のルネッサンス(17世紀中頃〜18世紀)
「安里屋ユンタ」として知られる曲は、1934年に発表された新しいバージョンで、甘い恋物語を歌っていますが、その元は八重山の古謡「安里屋ユンタ」で、竹富島に実在した美人、安里屋(あさどや)クヤマが役人の世話役を務める賄女(まかないおんな)への誘いを断ったことを歌う歌です。クヤマは1722年に竹富島に生まれ、若い頃に賄女となることを求められましたが、彼女はこれを拒否しました。竹富島では、目差(めざし)と呼ばれる助役の誘いを拒み村長にあたる与人(よひと)の賄女になったと歌われていますが、石垣島など他の地域では与人(よひと)の求めも断ったと伝えられています。実際には、当時の女性が賄女の誘いを公然と断ることは難しく、役人の命令は絶対でした。賄女は財産を得る機会でもありましたが、再婚が困難になるなどの暗い一面もありました。伝承によれば、クヤマは与人から一等地を与えられ独身で生涯を過ごしました。「安里屋ユンタ」は、権力に抗う人々の抵抗の気持ちを反映して広く歌われ、クヤマのたくましい生き様を伝えています。