海人と女達

夜釣りで獲った魚をたくさん積んだサバニが砂浜に着くと、待ち構えていたおなじみの女衆が近寄って来た。年長の三郎がすかさず海に飛び込み、女たちとゆんたくを始めた。他の子どもたちは着物を脱ぎ、黒いメロマンだけ着けた姿になって海に入り、魚を種類別に纏めながら荷卸しをする。三郎はまだペチャクチャ、女たちとゆんたく。しびれを切らした海人の武太が怒鳴り出した。「三郎ぇ、三郎」「いなぐいんれー長ゆんたくし、アンカーうるさねぃ」(女を見れば長話しやがって!碇も下ろさねえで)と怒った。陸に上がった魚は一刻も早く売りに行かなければ残ってしまう。あの頃は冷凍庫がなかったからなぁ。