月映し頃

真夏の暑苦しい夜は、表に出て月の明かりを浴びるといい。汗ばんだ皮膚を、青白い光が洗い流してくれる。路面の小石がはっきりと見える。何処かで鶏が夜啼きしている。夜烏がカーと啼きながら、大きな月の顔を横切って飛んでいった。虫たちは、ミチミチリ、チリチチリと啼いている。まちゃぐわーからくばおうじでがじゃんを叩く音がして、空気が一瞬震えた。夜は更けてきたが、家の中へ入る気にはならなかった。