天地酣
満月に誘われて若者たちが集まって来た。鍛冶屋と馬車むちゃーの息子が三線を弾いている。醤油屋の兄貴が一升瓶を振り回し、砂を蹴散らして、かちゃーしーを踊っている。料亭の一番娘が、めし屋の息子たちと踊り出す。写真屋の娘は、三世相の三男と連れ立ってやって来た。ガザミはガサガサ騒ぎ、月がケテケテ笑っている。そんな月に照らされて雲も踊っていた。天も地も、海も風も、盛り上がって、宴は酣。若い男たちには、近いうちに徴兵検査が待っている。三線の音色も若者たちのざわめきも、全てを白い砂浜が吸い取ってくれた。