3尺もーい
夕餉(ゆうげ)も済んで一息入れた頃、役場の職員と体操の先生が、お目当ての娘の家にやって来た。泡盛の瓶を下げて親父さんのご機嫌伺い。やがてほろ酔い気分で、三尺もーいが始まった。役場の職員と娘は、指先にご飯粒でくっ付けた王冠をカチカチ鳴らせて踊り出す。息子は三線弾きながら、足で一升瓶をチャンチャン鳴らしている。親父さんの踊りは、村いちばんの朗らかさ。耳をつかんで頭を傾け、足は足でバラバラな拍子。おばぁはくばおうじをバラバラにしてしまった。先生も真っ赤な顔してドラ声で歌っている。赤子を抱いて出て来た兄嫁は「また始まった」と、開いた口がふさがらない。その赤ん坊は、大人の目には見えない樹児夢那とお話し中。ランプはユラユラ、家宮(やもり)はチンチン、昔々のとっても面白かった夜のお話 ーー。