第二尚氏三代 尚真王の時代は黄金時代と呼ばれ、琉球史上もっとも優れた王だと言われています。その尚真王が誕生するに至った「ある事件」の一場面を描いた絵です。
尚真王の前、二代目の尚宣威という王は尚真の叔父でした。その尚宣威王は即位後わずか半年で、神の代弁者である神女(ノロ)たちから否定され失脚してしまいます。神が尚宣威王を認めなかったために、王位はわずか十三歳の少年・尚真に引き継がれたのですが、実は神女たちを束ねていた尚真の母・宇喜也嘉(おぎやか)の手引きによる国王交代劇だったといわれています。
烈女・宇喜也嘉の「暗躍」によって即位した尚真王ですが、彼こそが琉球王国の基礎をつくり、かつてない繁栄を実現する名君になるのです。 歴史の転換点に起きた象徴的な事件を、琉球の正史「中山世鑑(ちゅざんせいかん)」の記述を下敷きに再現しました。
若干十三歳で即位した若き尚真王と、四一〇年間続く第二尚氏王朝の幕開けの華々しさを、朝日(アガイティーダ)のイメージに重ねて表現しました。
制作 JCC美術部 2010年3月( 監修者 井上秀雄 文学博士(沖縄県立芸術大学元教授)