19世紀後半になると、琉球の歴史も世界の大きな動きに巻き込まれていきます。1853年に、日本に開国を要求しにきたアメリカのペリー提督率いる黒船艦隊が、まず日本への足がかりとして琉球にやってきます。2度目の来琉で、薪水の提供や自由貿易について定めた琉米修好条約を締結を締結しました。日本の開国・廃藩置県の流れの中で、琉球国→琉球藩→沖縄県へと強制的に近代日本国家へ組み込まれていき、1879年に首里城を明け渡し、琉球国は消滅しました。
絵巻に描かれているのは、那覇港に寄港する中国の進貢船・琉球のマーラン船・薩摩の船・サバニ・ハーリー船・アメリカの黒船・ロシアの黒船…などです。画面左上には、琉球国を象徴する名文「万国津梁の鐘銘文」が書かれています。